『店長がバカすぎて』シリーズ感想|本好きだからこそ読んでほしい書店員のリアル

本の感想

本の概要

『店長がバカすぎて』シリーズは、早見和真氏によるお仕事小説です。

舞台は都内の大型書店。主人公の谷原京子は書店員として働きながら、理不尽な上司や個性的な同僚、無理難題を押し付ける出版社、さまざまなタイプのお客様に囲まれながら日々奮闘します。

タイトルだけを見るとコメディ作品のように感じますが、実際には書店業界が抱える課題や、書店員の仕事の魅力と苦悩がリアルに描かれています。

本好きであればあるほど共感できる部分が多く、笑いながらも考えさせられる作品です。

シリーズの順番

  1. 店長がバカすぎて
  2. 新!店長がバカすぎて

※続編や関連作品も刊行されており、シリーズとして楽しむことができます。

読むべき人

・本が好きな人

・書店によく行く人

・出版業界に興味がある人

・接客業で働いている人

・仕事小説が好きな人

個人の感想

私は普段から本をよく読むため、書店へ行く機会が多くあります。

大型書店に行けば何時間でも過ごせますし、旅行先でもその土地の書店に立ち寄ることがあります。

しかし、これだけ頻繁に利用しているにもかかわらず、書店員さんの仕事について深く考えたことはありませんでした。

本を探してもらう。

在庫を確認してもらう。

レジで会計をしてもらう。

普段接するのはその程度です。

私たち利用者から見ると、書店員さんは本に囲まれて働く楽しそうな仕事にも見えます。

しかし、この小説を読むと、その裏側には想像以上の苦労があることがわかります。

膨大な新刊の管理。

売場づくり。

返品対応。

出版社とのやり取り。

売上目標。

接客対応。

さらには、読書好きだからこそ感じる理想と現実のギャップ。

本が好きだから書店で働いている人も多いと思いますが、好きだけでは続けられない仕事であることが伝わってきます。

特に印象的だったのは、書店員という仕事が単なる販売員ではないということです。

どの本を目立つ場所に置くのか。

どの本を平台に積むのか。

どんなPOPを書くのか。

それによって本の売れ行きが大きく変わります。

書店員は本と読者をつなぐ存在であり、文化を支える仕事でもあるのだと感じました。

また、この小説を読んで改めて考えさせられたのが、書店業界を取り巻く厳しい現実です。

近年、日本全国で書店の数は減少しています。

インターネット通販や電子書籍の普及によって、本を購入する方法は大きく変わりました。

便利になった一方で、街の書店が閉店するニュースを見る機会も増えています。

私自身も地方出身なので、子どもの頃によく通っていた書店がなくなった経験があります。

本との出会いの場が減っていくことには、どこか寂しさを感じます。

だからこそ、この小説には大きな意味があると思います。

普段は目立たない書店員という仕事にスポットライトを当て、多くの人にその存在を知ってもらう。

書店がどのような人たちによって支えられているのかを伝える。

その役割を果たしている作品だと感じました。

読後は不思議な気持ちになります。

書店へ行ったときの見方が変わるのです。

これまで何気なく見ていた棚。

何気なく手に取っていたPOP。

何気なく利用していたレジ。

そのすべての裏側に書店員さんの努力があることを想像するようになります。

そして思わず、

「いつもお疲れ様です」

と声をかけたくなります。

もちろん実際にはなかなか言えませんが、それくらい書店員という仕事への見方が変わる作品でした。

本好きな人であればあるほど楽しめる一冊です。

そして、本を売る人たちの苦労や情熱を知ることで、読書という文化そのものへの見方も変わると思います。

おすすめ度

★★★★★(5/5)

こんな人におすすめ

・本が好きな人

・書店巡りが好きな人

・出版業界に興味がある人

・接客業の経験がある人

・仕事小説が好きな人

・読書文化について考えたい人

『店長がバカすぎて』は単なるコメディ小説ではありません。本を売る人たちの苦悩や情熱を描いた、すべての本好きにおすすめしたい作品です。

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