はじめに
これまで数多くのビジネス書や経済小説を読んできました。
その中でも、
「人生で一度は読むべき本」
だと感じた作品が山崎豊子氏の『沈まぬ太陽』です。
私は現在、海外赴任中です。
その立場でこの作品を読んだからこそ、主人公の苦悩や孤独、そして信念を貫く強さが深く心に刺さりました。
正直なところ、
もっと若いうちに読んでおけば良かった
と思っています。
特に20代の会社員にはぜひ読んでほしい一冊です。
本の概要
『沈まぬ太陽』は山崎豊子氏による長編小説です。
実在の航空会社をモデルに、
- 労働組合問題
- 海外僻地への左遷
- 組織の腐敗
- 墜落事故
- 経営再建
などを描いた社会派小説です。
主人公の恩地元は、自らの信念と正義感を曲げずに行動します。
しかし、その結果として長期間にわたる海外勤務を命じられ、家族と離れながら過酷な生活を送ることになります。
単なる企業小説ではなく、
「組織の中で人はどう生きるべきか」
を問いかける作品です。
山崎豊子という作家の凄さ
山崎豊子氏の作品は、
- 白い巨塔
- 華麗なる一族
- 不毛地帯
- 沈まぬ太陽
などが有名です。
特徴は圧倒的な取材力です。
読んでいると、
「本当に小説なのか?」
と思うほどのリアリティがあります。
『沈まぬ太陽』も例外ではありません。
むしろ、私が読んだ山崎豊子作品の中でも最も重く、最も考えさせられる作品でした。
生まれる前の出来事を知らなかったことが恥ずかしかった
この作品で描かれている出来事の多くは、私が生まれる前の話です。
しかし読んでいて感じたのは、
日本人としてこの歴史をほとんど知らなかったことが恥ずかしい
ということでした。
学校では教わらないことも多く、
社会人になって初めて知る事実も少なくありませんでした。
日本企業の成長の裏で何が起きていたのか。
組織の論理によって何が失われたのか。
そうした歴史を知るだけでも、この本を読む価値があると思います。
海外赴任中だからこそ主人公の苦悩が分かった
私がこの作品に最も強く共感したのはここです。
現在、私自身も海外赴任中です。
もちろん主人公の恩地が置かれた状況とは比較になりません。
現代はインターネットもあり、家族とも簡単に連絡が取れます。
しかし、それでも海外生活には孤独があります。
だからこそ、
恩地が経験した長期間の海外赴任の描写が強く心に残りました。
特に印象的だったのは、
サバンナでハンティングをするシーンです。
また、自宅で銃を放つ場面も忘れられません。
読んでいて感じたのは、
この人は精神的に本当に限界だったのではないか
ということでした。
家族と離れ、
将来も見えず、
組織から見放された状況で生き続ける。
その孤独と苦悩は想像を絶するものがあります。
私は海外赴任中だからこそ、その過酷さを少しだけ実感できたような気がします。
会社員としての倫理観と正義感を考えさせられる
この作品の根底にあるテーマは、
正しいことを貫くべきか
だと思います。
会社員として働いていると、
- 上司の指示
- 組織の論理
- 人間関係
を優先しなければならない場面があります。
しかし、それが本当に正しいとは限りません。
主人公の恩地は、多くの不利益を受けながらも信念を曲げませんでした。
もちろん現実は小説ほど単純ではありません。
それでも、
「自分ならどうするだろうか」
と何度も考えさせられました。
若いうちに読むことで、自分自身の価値観を見つめ直すきっかけになると思います。
昔の労働闘争の過激さにも驚いた
もう一つ印象に残ったのが労働組合活動です。
現在では想像できないほど激しい対立が描かれています。
私は製造業で働いていますが、
現在の労使関係しか知らなかったため、
当時の時代背景を知る意味でも非常に興味深く読むことができました。
企業と労働者の関係がどのように変化してきたのかを考えるきっかけにもなりました。
海外の夕日を見るたびに思い出す小説
私は海外赴任先で海に沈む夕日を見ることがあります。
そのたびに、不思議と『沈まぬ太陽』を思い出します。
長い海外生活の中で、
孤独や不安を抱えながらも信念を貫いた主人公の姿です。
もちろん私の苦労など比べものになりません。
それでも、
「もう少し頑張ろう」
「今の経験も将来につながるはずだ」
と自分を奮い立たせることがあります。
単なる企業小説ではなく、
人生の支えになるような作品でした。
まとめ
『沈まぬ太陽』は、
組織、正義、責任、家族、人生。
多くのテーマを含んだ名作です。
私は海外赴任中に読んだからこそ、主人公の孤独や苦悩をより身近に感じることができました。
そして、
会社員としてどう生きるべきか。
自分の信念とどう向き合うべきか。
改めて考える機会になりました。
もしまだ読んだことがないのであれば、
ぜひ20代のうちに読んでみてください。
きっと、今後のキャリアや人生観に影響を与える一冊になると思います。


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